【スキルの変更を熟考して決める】

整骨院を開業しているけど、辞めて他の事業をしたい。もっと気持ちよく稼げる仕事がしたい。このように考えている方が多いと思います。いえいえ、このままうまくやっていければそれに越したことはないけども、いつどうなるかわからないよ。などと考えたりもしますよね。
続ける方がよいのか、思い切って辞めた方がよいのか。また、今までのスキルを生かして次の仕事につなげる方法が何かあるのだろうか?
こういったことに答えていきたいと思います。
辞めたい理由は人それぞれだと思います。例えば下のような。
❶患者様の来院数が少なくて不安定。稼げてない
❷保険者より患者様のところに照会文が送られてきて、なんだか私が不正をしているような印象を与えられて困る。
❸厚生労働省による適正化事業により、売り上げが下がる。

これらのマイナス要因からの脱却を支援します。
本稿の内容
● 思い切って閉院し、新たなスキルへ向かうには
● これまでのスキルを生かせるケアマネジャー
● しばらく修行、その後は独立も可能
● さらにプラスアルファの工夫
この記事を書いている私は、ケアマネジャー 歴14年ほどです。
鍼灸整骨院を開業していました。
今はしてません。今はケアマネジャーから社会福祉士へ転身して通所施設を運営しています。
しかし、副業的に訪問鍼灸は続けています。
6年前まではケアマネジャー で独立していました。ケアプランセンターを立ち上げてケアマネをしていて、それにプラスアルファで訪問の鍼灸をしていました。
その前は介護施設や病院の介護部門でケアマネジャー として勤務していました。
さらにその前は鍼灸整骨院を開業していました。
厚生労働省の柔道整復師の適正化に向けた取組から、整骨院の開業が難しくなりましたよね。長期施術の逓減、多部位請求の逓減、領収証発行の義務化など、数えたらキリがないくらいですね。
ややもすると、不正請求と疑われる状況に追い込まれていますので、毎日が冷やひやして過ごすことになりかねないです。
そんな私が、整骨院の開業から脱皮して、今の余裕の持てる仕事になっていったそのノウハウをご紹介しますね。
同じようなことで悩んでおられる方には明朗となるはずです。
思い切って閉院し新たなスキルへ向かうには

せっかく苦労して学校を卒業し、国家試験を突破してさらに苦労して開業して、それを自らの手で閉めるのは、よほどの決意が必要だと思います。
でも、心の奥のほうにあるモヤモヤがあって、それが気になるならば、辞めて違うスキルに向かうきっかけの初点だと考えられます。
厚生労働省のホームページにも書いてありましたが、長期の施術、部位転がしといった単語が散見されますので、今後も引き続き相当厳しい適正化指導が予想されます。
厚生労働省のリンクを貼っておきますね。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000134996.pdf
柔道整復師と鍼灸師の資格を持って5年以上の実務があれば、次のステージに向かうことができます。
まずは、そこから始めましょう。
それと閉院する場合のもろもろの後始末があります。あなたがテナントを利用しているならば、そのまま居抜きでどなたかに譲渡することができます。
自宅での開業であれば、譲渡はむつかしいし、第一にローンが残ってますよね。私はこのパターンでした。一階の店舗に残る医療機械などは業者に引き取ってもらうか、知人の先生に譲ることになります。
患者様の引き継ぎは特に必要はなかったです。近所に他にも整骨院がたくさんありましたので。居抜きで譲渡する場合は引き継ぎが合ったほうがいいですね。
会社形式にしている場合は、面倒な結了登記までやらなければなりません。
私がそうでしてね。当時は合資会社でした。
スタッフを雇用していたならば、失業保険の手続きや離職票の作成に追われますが、たいていは奥さんが手伝っているケースが多いですから、そういった場合は大丈夫だと思います。
ですが、閉院してからでは身動きが取れないので、実は開業中に次の布石を打っておく必要があります。
ケアマネジャーの勉強を始めましょう!
これまでのスキルを生かせるケアマネジャー

ケアマネジャーの資格を取りましょう。柔道整復師であれば受験資格があります。詳しい受験資格や試験日予定などは、ググればたくさん出てきますので、そちらを参考にしてくださいね。
私はケアマネジャーをやってみて、これは今まで柔道整復師としてやってきたことがけっこう生かせる仕事であったので、スムーズにできました。
特に認定調査で行う関節可動域検査や動作の検査などもそうですし、歩行状態や移動状態を見て、どのような福祉用具が適正なのかを自信を持って判断することができました。
また、高齢者とのトークもお手のものですし、臥位状態からの起き上がりや介助も簡単にできます。車椅子への移乗のお手伝いも簡単です。
とはいえ、そんな新しい資格取得が邪魔くさいとか、めんどうくさいとか、そういった考えもありますね。
その場合は、自分にとってふさわしい道を自分で選んで進んでいけると思います。あくまで私の経験上の話なんです。
でも、将来に第二の起業を目指すなら、やはりケアマネジャーの資格を取りましょう。
努力とある程度の期間が必要です。
ケアマネジャーの資格がとれてもそれだけですぐに稼げるようにはならないです。やはり営業が必要です。どこから要介護者を見つけてケアマネジメントすればよいのか、工夫と努力が必要です。
しばらく修行、その後は独立も可能
運よくすぐに介護支援専門員実務研修受講試験に合格したら、実務者研修に参加して、介護支援専門員の登録が必要です。
ざっくりとケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容がわかるまで、整骨院は続けた方がよいです。でも、整骨院を続けながらのケアマネジャーも可能ですし、多くの柔道整復師が実際にやってます。
ですから①整骨院を辞めてケアマネジャー としてプランセンターを立ち上げる。②整骨院を続けつつ、ケアマネジャー としての仕事を併任する→このいづれでも可能です。
私は整骨院を辞めてのケアマネジャー でした。
日本柔道整復師協会などは併任してのケアマネジャーも支援しているように思います。各都道府県の柔道整復師会でも盛んに行われていると思います。私はその時は任意組合でしたので、そんなのはなかったですけどね。
ケアマネとしての仕事を理解して使えるようになるまでは修行です。また介護保険を請求するソフトも必要です。
これを乗り越えることができたら、独立へとシフトしていけるのです。
さらにプラスアルファの工夫
実は、整骨院の仕事を続けながらケアマネをするよりも、もっとケアマネとよい相性の仕事がありました。
訪問鍼灸の機能訓練です。
柔道整復師の訪問施術は、ケガや負傷で動けない、両下肢が動かせないなどと条件が厳しくあるのに比べ、鍼灸治療の訪問は、例えば要介護3であれば容易でしたし、ケアマネジャー としてその方の主治医と連絡をとって、訪問治療の同意書をいただくのもわりと簡単でした。
つまり
鍼灸師の資格があれば、自分がケアプランを作成している高齢者に対して、訪問鍼灸治療することができるのです。
それはケアマネジメントのプラスアルファです。
現に私はそれをやってきました。
柔整の単価と違って、訪問鍼灸の単価は高いですし、5年間続けてい訪問治療していても逓減や延長理由もありませんでした。
週に3回の訪問治療で、ひとり1枚あたりのレセプトが3,000円くらいあったのです。
けっこうデカいでしょ?
喜んでもらえて収入になりました。
もし、整骨院を辞めて、スキルの変更を考えるなら、こういった方向もひとつの検討材料になるのではないでしょうか?
最後に
私自身が苦しんで来たことですが、整骨院の悪循環を断ち切りたくて、こういった方向へ転身していきました。
ケアマネジャーを続けて行ったことで、社会福祉士も受験できました。そして合格しました。その時私は53歳でした。
今はさらに新しい事業として、障がい者の就労支援施設を運営して、なおかつ介護保険のケアプランセンターと訪問鍼灸をしています。
この記事をお読みの皆さんも、どうか自分の人生を発展させて、よりすばらしくて楽しい日々が過ごせるよう祈念します。
まだまだ、続きもありますので、また記事を書きますね。