鍼灸師と柔道整復師

整骨院(接骨院)では肩こりの施術が健康保険で可能なのでしょうか

投稿日:10月 18, 2020 更新日:


患者側と施術者側から併せて考えます。

船溜り

こんにちは、田和 凛太郎 です。

整骨院・接骨院では、よく言われる肩こりの保険治療が可能なのでしょうか。また患者から見て、保険治療で肩こりを治してもらえるのか、疑問があると思います。

こういったことにこたえていきます。

本稿の内容

・整骨院で、肩こりの訴えがあった場合、施術できますか
・整骨院で保険が使える場合
・整骨院で健康保険が使えないケース
・患者が整骨院を利用するときの注意点

これらの内容がわかりやすく解説されています。

整骨院で肩こりの訴えがあった場合に施術できますか

こちらは施術者側からの質問になります。結論から言いますと、ほぼ可能です。ホボというは、条件が当てはまらないと不可能もあるということです。

その条件とは

1)健康保険を使わなければ施術できます。実費です。

実費治療になりますので、当然保険適用のルールから外れます。だから治療できます。ただし、医者のように診断できませんので、あくまでも「肩こり」の判断をしたということです。これは肩こりであろうと判断して、健康保険によらない施術をするということです。

本当に肩こりなのかどうか、診断があってから施術したいのであれば、一度整形外科等の受診をオススメして、確定診断を得てから施術されてもよいかもしれません。

なぜかというと、単なる肩こりではなく、腫瘍がある場合で、初期に肩こり様の症状が出ている場合も考えられるからです。また、その他にも考えられる原疾患があると思います。

したがって、実費治療で患者の負担が増えるなら、そのリスクも検討する必要はあると思います。ただの肩こりでも、判断は慎重さが要求されるのです。

2)保険診療と、保険外診療の併用については、いわゆる「混合診療」として、厚生労働省が以下の通り見解を示しています。

いわゆる「混合診療」について。保険で認められている治療法+保険で認められていない治療法として、明記されています。「保険診療と保険外診療の併用は原則として禁止しており、全体について、自由診療として整理される

と、あります。本来は、保険診療により一定の自己負担額において、必要な医療が提供されるにもかかわらず、患者に対して保険外の負担を求めることが一般的→患者の負担が不当に拡大するおそれあり。・・ということになります。

これは先進医療とされる場合で、安全性、有効性等が確認されていない医療が、保険診療と併せ実施されてしまう→科学的根拠のない、特殊な医療の実施を助長するおそれがある、ということです。

つまり、そこには一定のルールの設定が不可欠と結論づけられています。

ですから、社団法人の柔道整復師会においては、入り口を分けてするべしの指導があったことが知られています。
それはローカルルールかもしれませんが、各自治体によって判断がマチマチなので、気になる方は、行政の方に問い合わせるのがよいでしょう。

整骨院で健康保険が使える場合

こちらも厚生労働省から「対象となる負傷」として急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫で、内科的原因による疾患ではないものである旨、示されているところです。

大阪市では、国民健康保険が使える場合として、次のようなことが言われています。

医師や柔道整復師に、骨折、脱臼、打撲及び捻挫等(いわゆる肉ばなれを含む)と診断又は判断され、施術を受けたとき。(骨折及び脱臼については、応急手当をする場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。)

骨、筋肉、関節のケガや痛みで、その負傷原因がはっきりしているとき。

このように示してあります。

また、全国健康保険協会では、健康保険の対象となる場合、急性などの外傷性の打撲・捻挫・及び挫傷(肉ばなれなど)・骨折・脱臼。*骨折・脱臼については医師の同意が必要です。(応急処置を除く)

と、なっています。

要するに、健康保険が適応となる傷病名は、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷等となり、ケガだけになります。ここには肩こりが該当しません。非該当です。でも、肩こりと称して来院された場合、柔道整復師の判断で、「これは肩こりではないですよ、捻挫されてるのですよ」という判断をして施術されるケースもあるかもしれません。

本気でそう判断されるのか、それとも保険の取り扱い条件に合うように判断されたのかは、そのやり方、その数などにより、悪どいケースは行政が、あるいは保険者が相当の判断をすることになります。

 整骨院で健康保険が使えないケース

 こちらも全国健康保険協会からはっきりと示されています。それによると次のようになっています。

単なる肩こり、筋肉疲労
慰安目的のあん摩・マッサージ代わりの利用
病気(神経痛・リウマチ・五十型・関節炎・ヘルニアなど)からくる痛み・こり
脳疾患後遺症などの慢性病
過去の交通事故等による後遺症
症状の改善の見られない長期の治療
医師の同意のない骨折や脱臼の治療(応急処置を除く)
仕事中や通勤途上に起きた負傷

わかりやすいですね。その他の健保組合でもホボ同様のことが書かれています。加えますと、病院や診療所などの保険医療機関で同じ負傷等があって、現に治療中のものは柔道整復師は治療できません。重複受信はダメなんです。

医師は医療費。柔道整復師は療養費なのです。

また、仕事中や通勤途上での負傷は健康保険適応ではなく、労災保険の適用になりますので、要注意です。

患者が整骨院を利用するときの注意点

① とにかく負傷の原因を正しく伝えましょう。どういった原因で負傷したのか、発生した起点をしっかりと説明するのです。どういったケガであるかを、しっかり伝えるのです。

それがしっかりできていると、先生からいろいろな療養に関するアドバイスをしてくれるでしょう。

② 療養費支給申請書の内容をよく確認して自分で署名しましょう。一番下の欄ですね。確認項目は、1、負傷の原因です2、負傷の部位です。治療箇所です。3、通院日数です。通院した日を確認できるように自分でチェックしましょう。4、金額の欄を見て、自分が窓口で支払った金額と合ってますか。確認しましょう。

とはいえ、通常は月末必ず整骨院に行くとは限りませんし、翌月初めに行くというわけでもないですから、負傷原因や療養費計算がまだされていない、白紙の療養費支給申請書にサインすることが多いのではないでしょうか。

それが正しいかどうかは別問題。療養費の代理受領があるので、委任先の個人や協会などに対して白紙委任となることも考えられ、細かく言うとそれはヤバイかもです。

負傷したところが治り、痛みも取れて完治してから、サインだけするために整骨院に行くことは多分ないでしょう。つまり整骨院側としてはあらかじめもらっておくほうが、事務手続きがスムーズでしょうね。

③ 領収証はもらってますか。無償交付が義務付けられています。ただで発行されるはずです。明細書は負担があるかもしれません。

もらってますかね?また整骨院の先生方は発行してくださってますかね。何にも書いていないペラのレヒートはNGですよ。保険外の金額を書く欄もありますね。わたしゃもらったことないですが。

たとえば捻挫一ヶ所なら、受傷後6日以降は後療料は505円、電気をあててもらうと30円、温めてもらうと75円、治療費全部で610円。3割負担では183円が保険治療代金ですね。それ以外の金額は保険外の施術費用です。

施術者に取ってはなかなか厳しい保険価格設定です。これでも昔から考えるとずいぶん上がったほうです。

結論

肩こりは、保険適用にならないけれど、先生の裁量で自費治療してくれるところであれば、上手に筋肉を解して、緩めて、ストレッチして、柔らかくしてくれるはずです。そういった技術はしっかり持っておられます。

「うちは肩こりは治療しません」ってところもあるでしょうけども。

逆に「この肩こりはひどすぎる。これは保険適応です」といって、健康保険でやってしまう先生もいると聞いております。

けど、ヤバイかもしれないです。

保険適用外、肩こりは。でも、治療は可能です。実費です。

長くなりました。というわけで今日は以上です。

肩こり、されど肩こりです。治療する側も、される側も、シビアな部分があることがわかります。

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