6月になりました。試験まであと1ヶ月。受験票はとどきましたか?

Ḡルート受験の方は最後の受験となりますので、気持ちが高ぶってくるのではないでしょうか。
何を勉強してどこを重点的に覚えたらよいのか、難しいところです。これまでのḠルート合格者のアンケート調査では、最後は過去問の繰り返し勉強で突破されたとの話が多かったと、聞いています。
どんな問題が出るのかわからないですが、地道にやっていくよりほかはありません。
今回この記事では、過去問から「パーソナリティ障害」を取り上げてみますので、ご参考ください。
パーソナリティ(personality)といえば、性格、個性、人格などと訳すことができますが、ひろく言葉の意味を使いたい場合はそのままパーソナリティというカタカナを使いますよね。
むりやりに日本語化するよりも、その言葉の持つニュアンスで感じるのがよいのでしょうか。

【第1回試験(追加分) 102問】
境界性パーソナリティ障害(情緒不安定性パーソナリティ障害)の特徴について、最も適切なものを1つ選べ。
- 他人の権利を無視し、侵害する
- 他人の動機を悪意あるものとして解釈する。
- 過度な情動性を示し、人の注意を引こうとする。
- 社会的関係からの離脱と感情表出の範囲の限定が見られる。
- 対人関係、自己像及び感情の不安定と著しい衝動性を示す。
この問題を解くには、パーソナリティ障害の種類を一通りはこなしておく必要があります。
正解→5 となります。
他人の権利を無視し、侵害するのは反社会性パーソナリティ障害です。
他人の動機を悪意あるものとして解釈するのは、猜疑性パーソナリティ障害です。
過度な情動性を示し、人の注意を引こうとするのは、演技性パーソナリティ障害です。
社会的関係からの離脱と感情表出の範囲の限定が見られるのは、シゾイドパーソナリティ障害です。もしくはスキゾイドパーソナリティ障害です。
対人関係、自己像及び感情の不安定と著しい衝動性を示すものは、境界性パーソナリティ障害です。
近年増えているパーソナリティ障害は、今年も出題が予想されています。
次に、得点率の高い事例問題を見てみましょう。

【第4回試験 136問】
20歳の女性A。Aは、無謀な運転による交通事故や自傷行為及び自殺未遂でたびたび救急外来に搬送されている。また、Aは交際相手の男性と連絡が取れないと携帯電話を壁に叩きつけたり、不特定多数の異性と性的関係を持ったりすることもある。現在、救急外来の精神科医の勧めで、公認心理師Bによる心理面接を受けている。初回面接時には、「Bさんに会えてよかった」と褒めていたが、最近では、「最低な心理師」と罵ることもある。Aは、礼節を保ち、にこやかに来院する日もあれば、乱れた着衣で泣きながら来院することもある。心理的に不安定なときは、「みんな死んじゃえ」と叫ぶことがあるが、後日になるとそのときの記憶がないこともある。DSM−5の診断基準に該当するAの病態として、最も適切なものを1つ選べ。
- 双極1型障害
- 素行症/素行障害
- 境界性パーソナリティ障害
- 反抗挑発症/反抗挑発性障害
- 解離性同一症/解離性同一症障害
神経症なのか、統合失調症なのか、迷うところですが、境界性パーソナリティ障害の特徴を理解していれば、その心情をよく表している現実的な事例と言えます。
正解→3

勉強していても、知らない問題が出題されると焦ってしまいますよね。
過度な焦りは学習の効率が悪くなります。時間単位の学習量が減ってしまうのです。
適度な焦りで落ち着きながら集中力とモチベーションを維持し続けましょう。
今日理解できたことを「メタ認知」して気持ちを落ち着けることも必要です。
スモールステップを積み上げて、公認心理師試験に挑んでください。
みなさまの合格を祈念しております。
